俺はベンチ

ベンチから世界へ・・・

波よ聞いてくれってマンガはキャラのセリフが最高すぎておすすめです。

少年マンガばっかりよんでるボクには新ジャンルのマンガでした。

少年マンガが好きな人って、やっぱキャラが好きとか、必殺技がかっこいいとか、戦闘シーンが好きとか。

みんなそういう感覚をもっていると思います。

波よ聞いてくれ」にはそんな要素全くありません。

でも面白いとボクは思いました。

どうしても王道のマンガしか読まないってひとでも1巻だけでも読んでもらいたいマンガです。

作者は無限の住人でおなじみの沙村広明先生

波よ聞いてくれの作者は木村拓哉主演で映画化された無限の住人で有名な沙村先生です。

そんな沙村先生のマンガ波よ聞いてくれ

沙村先生お得意のグロイ描写は影を潜めております。

先生自身も「今回こそは人の死なない漫画を描きます」とおっしゃってますし。

とりあえず人が死ぬことは今のところないようです。

沙村先生らしいグロイ作品が好きなファンの方にはちょっとものたりないかもしれません。

でも、ボクは「波よ聞いてくれ」好きです。

なにがすごいってキャラたちが発するセリフです。

戦闘シーンもない、必殺技もない、武器もない。

そんな「波よ聞いてくれ」のなにが好きか。 「キャラのセリフ」です。

コレです。

沙村広明先生のワードセンスに毎回驚かされます。

主人公の鼓田ミナレのセリフはすがすがしいほどド直球。

しかも、切り返しのセリフまで絶妙。

ボケも、ツッコミも、例え話も、ウソも、

どのセリフもツボをとられています。

読者の言いたいこと、思っていることを作中でズドンと言い放ってくれる、そんな感じです。

他のキャラたちも、各々の立ち位置で、これまた絶妙なセリフを吐きます。

この言葉の攻防は、まるでM1見てるような感じです。

絵は正直苦手な感じ、でもキャラの表情から心が見える。

正直ボクはもっとくっきりしたタッチの絵が好きです。

なんかハンター×ハンターの富樫先生が手ぬいた絵に似てます。

ちょっとぼやっとしたタッチです。

ただ、キャラの表情は生きてます。

鼓田ミナレで言えば、初めてスタジオでラジオ流した時の、

「光男!!お前は地の果てまでも追い詰めて殺す!」

って発言したとことか。

そんな光男からいきなり連絡きたところとか。

そんな光男を「お前が埋葬しろ」って言ったディレクターの表情とか。

表情の描写はほんとにすごいと思います。

洗練された「芸」を感じる。

おもいっきり笑いを狙うようなマンガではありませんが洗練されています。

作中では現実から妄想、空想までいろんなシーンを行き来しますが、まるでコントです。

それに、キャラの掛け合いは漫才感覚です。

ボケて、ツッコんで、ボケて、ツッコんで。

ここぞって時にマジになって、悩んで、後悔してって。

いろんな要素があるんですけど、テンポよく読むことができます。

感想

ラジオがテーマっていうのが最初は引っかかりましたが、

読んでみるとハマりました。

ほんとセリフのセンスは秀逸。

言葉の言い回しを勉強しようってひとにもお勧めです。